ASAHI KASEI
[AK5385A]
n ディジタルHPF
ADCはDCオフセットキャンセルのためにディジタルHPFを内蔵します。HPFのfcは、fs=48kHz時1.0Hzになっ
ており、周波数応答はfsに比例します。
HPFE pinの設定により、HPFのON/OFFを制御することができます。但し、動作中にHPFのON/OFF設定を変更
すると、DCオフセット値の変化によるクリック音発生の原因となります。設定変更はパワーダウン(PDN pin =
“L”)時に行うことを推奨します。
n オーバフロー検出機能
AK5385Aはアナログ入力のオーバフロー検出機能を持ちます。LchまたはRchのアナログ入力がオーバフロー
すると(−0.3dBFS以上)、OVF pinが“H”になります。オーバフローしたアナログ入力に対するOVF出力はADC
と同じ群遅延(GD = 43.2/fs = 0.9ms@fs=48kHz)を持ちます。パワーダウン解除後(PDN pin = “L” → “H”)、
516/fs(=10.75ms@fs=48kHz)の間OVF pinは“L”で、その後オーバフロー検出機能が有効になります。
n パワーダウンとリセット
AK5385AはPDN pinを“L”にすることでパワーダウンモードにできます。この時、同時にディジタルフィルタ
がリセットされます。このリセットは電源投入時に必ず一度行って下さい。パワーダウンモード時はVCOM
はAVSSの電圧になります。パワーダウンモードが解除されると初期化サイクルが開始されます。そのため、
出力データSDTOは516 × LRCKサイクル後確定します。初期化中は両チャネルのADC出力データは2’sコンプ
リメントの“0”で、初期化終了後、ADC出力はアナログ入力信号に相当するデータにセトリングします(セトリ
ングは群遅延時間程度かかります)。
電源投入時、一度PDN pinを“L”にしてリセットして下さい。その後、PDN pinを“H”にするとリセット及びパ
ワーダウンはMCLKで解除され、LRCKの立ち上がりエッジ(出力フォーマットがMode 1の時は立ち下がりエ
ッジ)に同期して内部のタイミングが動作します。
(1)
PDN
Internal
State
A/D In
(Analog)
A/D Out
(Digital)
Normal Operation
GD (2)
Power-down
Idle Noise
(3)
“0”data
Initialize
Normal Operation
GD
“0”data
Idle Noise
Clock In
MCLK,LRCK,BICK
(4)
Notes:
(1) スレーブモード時は517/fs、マスタモード時は516/fsです。
(2) アナログ入力に対するディジタル出力は群遅延(GD)を持ちます。
(3) パワーダウン時、ADC出力は“0”データです。
(4) 各クロック(MCLK, BICK, LRCK)の入力を止める場合はパワーダウンして下さい。
Figure 3. Power-down/up sequence example
MS0265-J-01
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2003/11